第2章
ツールキットの組み立て:環境のインストールと設定
1 HaxeFlixelスタック:階層型アーキテクチャ
⚠️ 重要な概念
HaxeFlixelでの開発を始めるにあたり、単一のプログラムをインストールするのではなく、相互に依存する複数の技術からなる「スタック」を構築するという概念を理解することが不可欠です。
🏗️ 4層構造の理解
💡 なぜこの理解が重要?
この依存関係は、インストール手順そのものに反映されています。低レベルのHaxeコンパイラから始まり、最上位のHaxeFlixelフレームワークへと順に構築していくことで、開発環境が正しくセットアップされ、将来のトラブルシューティングも容易になります。
2 コマンドラインによるステップ・バイ・ステップ・インストール
🎯 推奨方法
最も確実で再現性の高い方法は、コマンドライン(ターミナルやコマンドプロンプト)を使用することです。
1 Haxeのインストール
Haxeの公式サイトから、ご使用のオペレーティングシステムに対応したインストーラをダウンロードし、インストールを実行します。
インストール確認
インストール後、コマンドラインを開き、パスが正しく設定されていることを確認:
haxe --version
2 Haxelibによるコアライブラリのインストール
HaxelibはHaxeの公式パッケージマネージャで、ライブラリのインストールや管理に使用します。以下のコマンドを一行ずつ実行:
3 コマンドライン・ヘルパーツールのインストール
flixel-toolsは、プロジェクトのテンプレート作成や管理を簡単にするための必須ツールです:
4 初期セットアップスクリプトの実行
エイリアス(ショートカット)を作成するセットアップスクリプトを実行。これにより、例えば
haxelib run lime
の代わりに
lime
と入力するだけで済むようになります:
3 検証:インストールの成功を確認する
🔍 なぜ検証が重要?
インストールプロセスが正常に完了したかを確認することは、後の問題を未然に防ぐために非常に重要です。もし特定のコマンドが失敗した場合、どのインストール段階に問題があったのかを正確に特定できます。
✅ 検証コマンド一覧
Haxeコンパイラ
期待される出力:
インストールされたHaxeのバージョン(例:4.3.4)
意義:
Haxe実行ファイルへのパスがシステムに正しく認識されている
Haxelib
期待される出力:
インストール済みライブラリ一覧(flixel, openfl, lime,
flixel-toolsを含む)
意義:
パッケージマネージャが正常に機能している
Flixel Tools
期待される出力:
flixel-toolsコマンド一覧(tpl, createなど)
意義: flixel-tools
setupコマンドがエイリアスを正常に作成した
4 IDEの設定:Visual Studio Code
現代の開発ワークフローにおいて、高機能なコードエディタ(IDE)は不可欠な存在です。HaxeFlixel開発では、Visual Studio Code (VSCode) が最もポピュラーで強力な選択肢です。
1 VSCodeのインストール
VSCode公式サイトからインストーラをダウンロードし、インストールします:
Visual Studio Code ダウンロード2 必須拡張機能のインストール
VSCodeを起動し、左側の拡張機能タブを開きます。Limeと検索し、表示された拡張機能をインストールします。
💡 ヒント: Lime拡張機能は、Haxe開発に必須のHaxe拡張機能を依存関係として自動的にインストールするため、一度の操作で必要なものがすべて揃います。
🚀 拡張機能の利点
- インテリジェントなコード補完
- リアルタイムのエラー表示
- 定義元へのジャンプ
- 統合ビルド・デバッグタスク
第2章のまとめ
HaxeFlixel開発環境は、4層のスタック構造から成り立っています。正しい順序でインストールし、各ステップを検証することで、安定した開発環境を構築できます。