第3章
設計図:最初のプロジェクトの作成と理解
1 Flixel-Toolsによるプロジェクトの生成
開発環境が整ったら、いよいよ最初のプロジェクトを作成します。flixel-toolsを使えば、標準的なプロジェクト構成をコマンド一つで生成できます。
🎯 プロジェクト作成の実行
コマンドラインで、プロジェクトを作成したいディレクトリに移動し、以下のコマンドを実行します:
🔍 コマンドオプションの解説
2 HaxeFlixelプロジェクトの解剖学:コアファイルの役割
生成されたMyFirstGame
フォルダの中身を理解することは、HaxeFlixelのアーキテクチャを把握する上で不可欠です。
📁 プロジェクト構造
🏠 ルートディレクトリ
Project.xml - プロジェクトの憲法
このファイルは、プロジェクト全体の構成を定義する中心的な設定ファイルです。コンパイラは、このファイルを読み込んでビルドの方法を決定します。
アプリケーションのタイトル、出力ファイル名、そしてプログラムのエントリーポイントとなるメインクラスを指定
Haxeのソースコード(.hxファイル)が格納されているディレクトリを指定
プロジェクトが依存するライブラリを宣言。HaxeFlixelライブラリをビルドに含める
ゲームウィンドウの初期サイズを定義
画像や音声などのアセットファイルが格納されているディレクトリを指定
📂 sourceディレクトリ
Main.hx - アプリケーションのエントリーポイント
このファイルは、ゲーム全体の「点火スイッチ」に相当します。その主な役割は、FlxGameオブジェクトのインスタンスを生成し、最初にどの「ステート」からゲームを開始するかを指定することです。
「PlayStateを初期ステートとして新しいゲームを開始せよ」という命令
PlayState.hx - 最初のシーン
FlxStateは、ゲームの独立した画面や場面(例:タイトルメニュー、ゲームプレイ画面、ゲームオーバー画面)を管理するための基本単位です。
create()メソッド
このステートが最初に読み込まれた時に一度だけ呼び出される。スプライトやテキスト、UI要素など、そのシーンで必要となるすべてのオブジェクトを生成し、初期設定を行う場所
update()メソッド
毎フレーム(デフォルトでは1秒間に60回)呼び出され続ける。プレイヤーの移動、入力のチェック、敵のAIなど、ゲームの動的なロジックはすべてここに記述
🎨 assetsディレクトリ
リソースファイルの格納場所
このディレクトリは、コード以外のすべてのファイルを格納するための場所です。画像、音楽、サウンドエフェクト、フォント、レベルデータなどがここに配置されます。
推奨フォルダ構成
🎯 設計パターンの価値
このファイル構成は、設定(Project.xml)、起動処理(Main.hx)、ゲームロジック(PlayState.hx)を明確に分離する設計パターンを促進します。この構造を理解することで、開発者はコードを適切な場所に記述し、整理され、拡張性の高いプロジェクトを構築するための強固な基盤を得ることができます。
第3章のまとめ
flixel-toolsによってプロジェクトの基本構造が生成されました。Project.xml、Main.hx、PlayState.hxの役割を理解することで、HaxeFlixelのアーキテクチャの基盤が構築されます。
🎯 次のステップ
第4章では、このプロジェクト構造を活用して、実際にテキストとスプライトを画面に表示し、最初のゲームを動作させます。create()とupdate()の使い方を実践的に学んでいきましょう。