VSCodeを使ったモダンなゲーム開発環境を構築しよう!
TypeScriptとPhaserJSの組み合わせは、Webブラウザで動作する2Dゲームを作るための強力なタッグです。つまり、ユーザーはアプリをインストールすることなく、PCやスマートフォンのブラウザでURLにアクセスするだけであなたのゲームを遊べます。
作れるゲームのジャンルは非常に幅広く、あなたのアイデア次第で様々なものが実現可能です。
百聞は一見に如かず。具体的にどんなものが作れるのかは、公式サイトの豊富なサンプル集を見るのが一番です。
このチュートリアルでは、VSCodeを使ってTypeScriptとPhaserJSでゲームを作り始めるための「開発環境の準備」を解説します。プログラミング自体が初めての方でも分かりやすいように、必要なツールのインストールから丁寧に説明していきます。
まず、コードを書くためのメインツールである「Visual Studio Code(ビジュアル・スタジオ・コード)」をインストールします。これは世界中の多くの開発者に使われている、高機能で使いやすいテキストエディタです。
これからの作業では、「コマンドプロンプト」や「ターミナル」と呼ばれる黒い画面を使います。これは、キーボードで命令(コマンド)を打ち込んで、PCに直接指示を出すためのツールです。難しそうに見えますが、決まった文字を打ち込むだけなので、すぐに慣れますよ。
VSCodeには、このターミナルが内蔵されていてとても便利です。エディタ画面の下部にターミナルを開くには、以下の方法があります。
Ctrl
+
@
を押す。(Macの場合は
⌃ control
+
⇧ shift
+
`
)
今後のコマンド入力は、すべてこのVSCode内のターミナルで行うとスムーズです。
例: `v20.11.0` のようなバージョンが表示されればOKです。
例: `git version 2.44.0.windows.1` のように表示されれば成功です。
Gitの強力な機能の一つに、他の人が作ったプロジェクトを丸ごとコピーしてこれる「クローン(clone)」というものがあります。
特にTypeScriptでゲーム開発を始める時、TypeScriptをブラウザで動くJavaScriptに変換したり、Phaserを正しく読み込んだりするための、たくさんの設定ファイルが最初に必要になります。これをゼロから作るのは、初心者にはとても大変な作業です。
そこで役立つのが、「開発の雛形(ひながた)」や「スターターキット」です。これは、親切な開発者たちが「面倒な初期設定は全部やっておいたから、ここからゲーム作りに集中していいよ!」と用意してくれた、プロジェクトのテンプレートです。
この「雛形」はGitのリポジトリ(保管場所)として公開されていることが多く、`git clone` コマンド一つで自分のPCにコピーできます。これにより、あなたは最も楽しい「ゲームのロジックを考える」部分から開発をスタートできるのです。
VSCodeをさらに使いやすくするために、便利な「拡張機能」をインストールしましょう。左側の拡張機能アイコン(四角が4つ並んだマーク)から、以下の名前を検索してインストールしてください。
VSCodeのメニューなどを日本語化します。
コードの間違いや、書き方が統一されていない部分を指摘してくれます。
バラバラな書き方のコードを、ボタン一つで綺麗に整えてくれます。
作成中のゲームをブラウザでリアルタイムに確認できます。コードを保存するたびに自動でリロードされるので非常に便利です。
ひと言でいうと、「コマンドのショートカットをOSに登録すること」です。
PCは、`node` や `git` といったコマンドがどこに保存されているかを直接は知りません。PATHを設定することで、「`node`というコマンドが入力されたら、`C:\Program Files\nodejs\node.exe` を実行してね」とPCに教えてあげることができます。
これにより、どのフォルダで作業していても、短いコマンド名だけでプログラムを呼び出せるようになります。
ご安心ください! 今回インストールしたNode.jsとGitは、インストーラーが自動でPATHを設定してくれているため、ご自身で何か作業する必要はありません。